旅行保険とは、旅行中に起きた事故やケガなどに対し、治療費や賠償責任、携行品損害などを補償するものです。行き先や旅行期間などにより、補償内容はさまざまですが、基本的には家を出てから旅行期間中、帰宅するまでを補償する内容が多いと思います。
旅行会社に旅行プランを提案してもらって出かける場合(パッケージツアーなどを含む)は、旅行会社の方から「保険加入」の有無を聞かれる場合がほとんど。
加入は強制ではないので、個人の判断に任されています。しかし、社員旅行や合宿旅行、サークル旅行など、団体旅行の場合、やはり旅行保険に入っておくのが無難です。
入るとしたらどのような内容の保険を選ぶべきかまとめてみました。
そもそも、旅行保険がカバーする内容にはどんなものがある?
国内・海外の場合、旅行日数等で補償対象となる内容は若干異なりますが、およそ以下のような内容をカバーするものが用意されています。
- 旅行中に起きた事故によるケガ(通院・入院・手術など傷害補償)
- 他人にケガをさせる、他人の物を壊す(賠償)
- 旅行先で入院などをした場合、家族が現地に出向いた場合の交通費や宿泊費など(救援者費用)
- 物を盗まれた、スーツケースを壊されたなど(携行品損害)
- 航空機の欠航や着陸地変更など
- 旅行中に事故で亡くなった、後遺症が残ってしまった(傷害死亡・傷害後遺障害)
加入した保険により、補償金額が異なる、補償されないものもあるので、契約時にはよく内容を確認することが大切です。
また、旅行中に危険な行為を行う、アクティビティなどに参加した場合、補償されないものもあります。例を挙げると、ロッククライミングやスカイダイビング、無免許や酒気帯び運転をする、自殺・犯罪行為などです。
また、地震や噴火、津波などの自然災害によるもの、戦争・革命などの事変は対象外となります。
団体で国内旅行の場合、旅行保険はできれば加入すべき
日帰りや1泊2日程度の国内旅行の場合、旅行保険に加入する必要性は低いといわれています。というのも、国内でケガや病気で医療機関に架かったとしても健康保険で自己負担が1~3割に押さえられるからです。
また、高額療養費制度により、月額の自己負担額に上限があるため、万が一大ケガで手術・入院となった場合でも高額請求になりにくいということがあります。個人で医療保険に入っている方も多いので、必ずしも加入は必須とはいえません。
団体での国内旅行で加入を検討した方がいいのは以下のようなケースです。
- 登山やハイキング、サイクリング、スキー・スノボー、サーフィン、ダイビング、釣りなど自然を相手とするようなスポーツやレジャーを予定している
- 沖縄など離島に旅行する場合(医療機関が脆弱でヘリ搬送などが発生する可能性がある)
- 個人で医療保険や賠償責任保険に加入していない人が多い
社員旅行の場合、会社が明確に「業務」と規定していない場合は、「慰安目的」となり、労災認定されません。大勢で行動を共にする場合(貸切バスで移動など)、ひとたび事故が起きた場合はケガをする人がたくさん出る可能性も。
また、高額医療費は後で戻ってくるとはいえ、一時的な立て替えは必要。
個人旅行では加入の必要性は薄いですが、団体の場合は加入しておいた方が無難です。20名以上で申込をした場合は団体割引が適用される旅行保険もあります。
日帰りや1泊2日の国内旅行なら1人あたり300円程度から加入できるので、負担も少ないですね。社員旅行で旅行保険に加入する場合は、経費(福利厚生費)として処理できます。
特に社員旅行で人気の沖縄に行くような場合は、必ず加入しておきましょう。
国内旅行保険と国内旅行傷害保険との違いは何?
「国内旅行傷害保険」は傷害保険のうち、旅行中のケガに特化した保険のことを差します。「国内旅行保険」と同じ意味合いで使われていることが多いようです。
「国内旅行傷害保険」には傷害への補償だけではなく、旅行に持っていたものの破損・盗難などの補償、救援者の費用に対する補償などを特約としてプラスできるようになっていますので安心ですね。
国内旅行傷害保険を提供している主な保険会社
- 365日24時間、フリーダイヤルで全国どこからでも事故の連絡・相談OK
- 国内旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院に対して補償
- 賠償責任、携帯品損害、救援者費用等、航空機欠航・着陸地変更費用を追加可能
- 保険料1,500円~
- 国内旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院に対して補償
- 賠償責任、携帯品損害、救援者費用等を追加可能
- 団体の契約は全員のご旅行期間、旅行の目的・趣旨、旅行行程が同一の場合に限り、グループ契約も可能
- 保険料1,000円~
- 国内旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院に対して補償
- 賠償責任、携帯品損害、救援者費用等、航空機欠航・着陸地変更費用に加え、留守中の家財盗難補償を特約で追加可能
- 保険料269円~
■ジェイアイ損害火災保険(t@biho たびほ インターネット契約)
- 国内旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院に対して補償
- 賠償責任、携帯品損害、救援者費用等、航空機欠航・着陸地変更費用、天災危険は追加可能
- 1契約で19名までのグループ契約可能
- 1泊2日300円~設定可能
- 2度目以降の契約は保険料3%割引(リピーター割)
- 国内旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院、賠償責任、救援者費用を補償
- 1契約で10名までのグループ契約可能
- 日帰り400円~
- 国内旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院、賠償責任、救援者費用を補償
- 法人や団体を契約者として申し込み不可
- 日帰り262円~
- au簡単決済ならPontaポイントを利用可能
- 365日24時間サポートデスクが対応
- 国内旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によりケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院、救援者費用を補償
- 1契約で10名までのグループ契約可能
- 日帰り100円~
- 楽天ポイントが使える、溜まる
この他、航空会社が用意している旅行保険もあります。例えばJALの場合ではキャンセル費用補償特約も(やむを得ない事情で搭乗便・旅行中止になった場合、航空代金や取り消し手数料を補償する特約)。
ANAも同様にキャンセル費用補償という保険もありますので、台風や悪天候が予想されるような時期は加入を検討してもいいですね。
団体で海外旅行の場合、旅行保険加入は必須!
国内でのケガや病気は健康保険でカバーできますが、海外ではカバーできません。万が一、手術や入院となると数百万円、場合によっては数千万円の費用が掛かる場合があります。
特にハワイやグアムなどの離島に出かける場合は要注意です。
ジェイアイ傷害火災保険株式会社の調査によると、2019年度の海外旅行中の事故発生率は4.14%で24人に1人は何らかの事故にあっているという結果に。日本と比較して犯罪率が高いということも関係しているようです。
クレジットカードに付帯しているという方もいらっしゃるかもしれませんが、旅費をクレジットカードで支払った場合というように条件がつくことも多いようです。個人旅行ならカバーされても、団体旅行の場合は適用されないこともあります。
また、クレジットカードの保証金額は数百万程度で、チャーター便等で医療搬送となると数千万円を軽く超えるため、カバーしきれない可能性大です。
海外旅行などでよく問題になるのがロストバゲージやスーツケースの破損、盗難など。あるいは飛行機が飛ばない、到着地変更などでしょうか。
いずれにせよ、慣れない海外で事故やトラブルがあった場合、それをカバーする旅行保険の加入は個人旅行であれ、団体旅行であれ必須、といえそうです。
海外旅行保険と海外旅行傷害保険との違いは何?
「海外旅行傷害保険」は傷害保険のうち、海外旅行中のケガに特化した保険のことを差します。「海外旅行保険」という場合は、ケガだけではなく、病気や賠償などを幅広くカバーする場合に使われることが多いようです。
クレジットカードによく付帯されているのがこの「海外旅行保険」ですね。カード会社やカードの種類により利用できる条件は異なりますので、事前によく確認しておきましょう。
日本語でのサポートサービスや提携している医療機関ならキャッシュレス診療が受けられるなどいろいろなメリットがあるようです。
海外旅行傷害保険を提供している主な保険会社
- 365日24時間、日本語で対応(LINEからなら無料)
- 代理店の店頭などからの申し込みなら電話通訳・メッセージの伝達等の様々なサービスを提供し、旅行前に治療を受けた病気が急激に悪化した場合でも補償が受けらるサービスも
- 海外旅行中の病気やケガをした場合、死亡・後遺障害・入院・手術・通院、救援者費用、賠償責任、携帯品損害、航空機寄託手荷物遅延を補償
- 疾病に関する応急治療・救援費用担保、旅行変更費用担保、航空機遅延費用等担保、治療・救援費用担保などの特約を追加可能
- アジア方面3日間950円~
- 海外旅行での治療費用をベースに傷害死亡・後遺障害・疾病死亡・賠償責任などオプションで追加可能(オーダーメイドプラン)、パッケージプランもあり
- 団体の契約も可能
- インターネット契約なら55%オフ、アジア3日間2,750円~が1,270円~
- 24時間日本語対応のコールセンター
- 海外旅行中の病気・ケガの治療、死亡、後遺障害、緊急歯科治療費、携帯品障害、救援者費用、賠償責任に対して補償
- 疾病に関する応急治療・救援費用補償、旅行事故緊急費用補償、航空機遅延費用等補償などを特約でセット可能
- 保険料269円~
■ジェイアイ損害火災保険(t@biho たびほ インターネット契約)
- 海外旅行中の病気・ケガをした場合の治療、救援者費用、傷害後後遺障害、傷害死亡、疾病死亡、携行品損害、航空機寄託手荷物遅延、賠償責任、テロ等対応保険金、弁護士費用などを補償
- 日本語ガイド等費用、航空機遅延費用、旅行キャンセル費用、旅行中断費用、ペット預入延長保険金などを追加可能
- 1契約で10名までのグループ契約可能
- アジア方面3日間870円~設定可能
- 2度目以降の契約は保険料3%割引(リピーター割)
■エイチ・エス損保 海外旅行保険たびとも(インターネット契約)
- 海外旅行中の病気・ケガをした場合の治療、救援者費用、傷害後後遺障害、傷害死亡、疾病死亡、携行品損害、航空機寄託手荷物遅延、賠償責任を補償
- 電子機器等補償・航空機遅延補償のオプションあり(乗り継ぎする場合はおススメ)
- 最大10人までまとめて契約Ok
- 緊急時はLINEで相談OK
- 過去4年以内に利用した場合はリピーター割引適用(3%OFF)
- 3日間870円~
- キャッシュレス・メディカルサービス(提携医療機関)、緊急医療アシスタンスサービス、相談・紹介サービス(日本語スタッフが対応)、キャッシュレス・リペアサービス
- 海外旅行中の病気やケガの治療、死亡・後遺障害、個人賠償責任、携行品損害、航空機寄託手荷物遅延等費用、救援者費用を補償
- 法人や団体を契約者として申し込み不可
- 3日間1,369円~
- au簡単決済ならPontaポイントを利用可能
- 365日24時間、日本語受付
- 海外旅行中の病気治療、疾病死亡、傷害死亡、傷害後遺障害、救援者費用、賠償責任、携帯品損害を補償
- パスポート盗難時等のサポート
- スーツケース修理サービス
- キャッシュレス・メディカル・サービス
- 3日間アジア方面1,710円~
- 楽天ポイントが使える、溜まる
この他、SBI損保やソニー損保などいろいろな海外保険があります。
海外旅行で旅行保険加入にあたっての注意点
国内旅行との大きな違いは健康保険が使えないということ。海外旅行の場合はケガだけではなく、現地で病気になり、医療機関を受診したり、入院する可能性もあるということです。
また、持ち物の盗難や破損などのリスクも高いこと。誤って他人のモノを壊す、ホテルの部屋を水浸しにするなどのトラブルも多いのが特徴です。
言葉の壁もあるため、万が一の場合のサポート体制もチェックしておくことが大切ですね。
行き先の治療費が高い国の場合は「無制限」が無難。保証されない危険なスポーツによるケガ、妊娠・出産にかかわる治療、持病や既往症の悪化、歯の治療などに関しては十分な注意が必要です。
危険なスポーツによるケガ以外なら、特約で補償する保険会社もあるようなので、該当する場合は探してみましょう。
また、病気やケガで滞在期間が延びた場合、保険の保証期間が切れてしまうことも!
70歳以上は加入できなかったり、保険料が高くなることも多いので年齢にも注意が必要ですね。
団体で海外旅行保険に加入できます
社員旅行や修学旅行、大学の研究室などで海外旅行をする場合、団体契約が可能な保険会社もあります。団体割引が適用されることもありますので、まずは旅行会社に保険について相談するのも手です。
海外旅行保険をグループで契約申し込みする場合、被保険者全員が同一旅行行程、同一保険金額であるということが、加入申し込みの条件。
旅行プランの契約を行う際に保険のこともまとめて相談しておきましょう。
団体旅行は保険加入がおススメ。国内・海外、行き先による保険の選び方まとめ
個人旅行とは異なり、大人数がまとまって移動する団体旅行の場合は、国内旅行でも旅行保険に加入しておくことが大事。海外であれば必ず加入することを強くおススメします。
国内旅行なら数百円から加入できますので、ぜひ!
団体で国内旅行保険加入が特におススメの例
- 旅行先で自然相手のアクティビティに参加する予定(スキー・スノボー、ゴルフ、釣り、ハイキング、マリンスポーツなど)
- 沖縄など離島が行き先
- 貸切バスなどまとまった人数で移動する(バスの中の事故はバス会社が保険に加入しているが、離れたところでの事故はカバーされない)
- 子ども連れの職場旅行(備品などを破損してしまう可能性あり、賠償補償の特約を付ける)
団体で海外旅行保険加入が特におススメの例
- 旅行先で自然相手のアクティビティに参加する予定(スキー・スノボー、ゴルフ、釣り、ハイキング、マリンスポーツなど)
- ハワイ、グアムなど離島が行き先
- 社員旅行などの場合は航空機寄託手荷物遅延等費用、航空機遅延補償の特約を付けるのがおススメ
- 救援者費用補償の特約を付ける
- 携行品損害補償の特約を付ける
- 子ども連れの職場旅行は賠償補償の特約を付ける
団体旅行は保険加入も含めて旅行会社にお任せがベスト!
個人旅行なら自分たちで自由になんでも決められますが、団体旅行となるとなかなか思うようにはいきません。旅行先でケガや事故が起きた時、幹事さんだけで対応するのはとても大変なこと。
ある程度まとまった人数で旅をするなら、「団体旅行ナビ」から旅行会社に任せてしまうのがイチバン。旅行傷害保険の加入や内容の検討なども相談に乗ってくれますよ。
Webから24時間問い合わせ可能ですので、どうぞお気軽に活用してくださいね。