総予算1.7兆円といわれている「Go To キャンペーン」。除外されていた東京発着の旅もいよいよ10月1日から適用決定です。
実施期間は2021年1月31日まで(修学旅行は3月15日まで)としていますが、大勢の方がキャンペーンを利用した場合、早めに終了してしまう可能性もあるとか!ちょっと焦っちゃいますね。
キャンペーン参加が出遅れている東京ですが、他の都道府県とは別に予算を確保してあるそうなので安心ですね。
1回目は「Go To Travel」キャンペーンをお得に活用するコツについて解説。2回目は旅行業界全体が取り組む新型コロナウイルス感染予防対策、3回目は宿泊施設の安全対策、4回目は貸切バスでの対策、5回目は鉄道(新幹線・特急)についてご紹介しました。
今回は旅行先まで飛行機を利用したい場合、気になるコロナウイルス予防対策について解説。「飛行機は窓が開かないけど大丈夫?」と思っている方も多いことでしょう。
ぜひ参考になさってください。
新型コロナウイルス感染症対策、航空会社(飛行機)での取り組みはどうなってる?
新型コロナウイルス感染予防対策については、定期航空協会(JAL、ANAなど航空関連会社などで組織)及び(一社)全国空港ビル事業者協会から「航空分野における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン第2版(2020年5月28日策定)」が示されています。
それ以外にもJAL、ANAなど各航空会社それぞれが取り組みについてホームページで公表していますので、ぜひ参考になさってください。
航空会社が取り組む新型コロナウイルス感染防止対策
国際航空運送協会(IATA)が2020年1月~3月にかけて行った航空会社への聞き取り調査では、機内感染が疑われたケースは3件程度(ANAが提供しているIATAのプレスリリース日本語訳より引用)。
実は飛行機はもともと窓が開かない構造になっているので、最新の換気システムを完備。また座席が対面ではなく、前の座席に座る乗客との間も背もたれで遮断されるといいいます。
このため、飛行機内での感染リスクは比較的低いといえるでしょう。
それでも利用者が安心して搭乗できるよう、以下のような感染予防策を講じています。
空港ターミナル内での対策
- 空港ターミナルビル内で消毒液の設置、手洗いの実施、マスク着用への呼びかけ
- やむを得ない場合を除き自動ドアを運用
- 共用部分で不特定多数の人が触れる場所を最低限にし、掃除・消毒を徹底
- 特定警戒都道府県や大都市圏に存する6空港(羽田・成田・伊丹・関西・中部・福岡)において、出発旅客に対するサーモグラフィーを用いた体温測定を実施(37.5度以上の発熱、咳やけん怠感等の症状があり、感染が疑われる場合は搭乗の取りやめを要請)
- ターミナルビル内ではできるだけ換気を行う(換気が悪い場所は立ち入り禁止とする)
- 待合テーブルや椅子は「3密」にならないよう、配置を見直すか一部席の使用禁止を行う
- チェックイン時に旅客が列を作る場合は、床に一定間隔開けるよう足元に目印をつける
できる限り、非接触チェックインや自動手荷物預け機の利用を推奨 - チェックインカウンターや案内所などにアクリル板や透明ビニールカーテン等を使用して遮蔽する
- 従業員はマスクや手袋等を着用し、こまめな手洗い、うがい、消毒を行う
保安検査場や出入国審査場、手荷物受取所など
- 換気の徹底や旅客と旅客の間隔を開けられるよう案内をする
- 保安検査基準を順守しつつ、検査員と旅客、手荷物との接触が最低限になるよう工夫する
- 従業員のマスクや手袋等の着用、こまめな手洗い、うがい、消毒を行う
- 旅客への呼びかけは館内アナウンス、拡声器等を活用する
空港ターミナル内の売店やレストランなど
- 換気の徹底とキャッシュレス決済を推奨
- レストラン内の座席はイスを間引くなど、間隔があくようにする
- 必要に応じ、レストラン店員と旅客との間にアクリル板や透明ビニールカーテン等で遮蔽する
- 従業員のマスクや手袋の着用、こまめな手洗い、うがい、消毒を行う
また、必要に応じて目や顔を覆う防護具(フェイスシールドなど)の装着も検討する - コップや箸などは適切に洗浄・消毒する
トイレなどの共有部分
- 不特定多数の人が利用するので、通常よりも清掃回数の頻度を上げ、消毒を行う
- トイレの蓋を閉めて洗浄するようお願いする
- ハンドドライヤーの利用停止、ペーパータオル設置を検討
航空機内における感染拡大予防策
- 旅客にはマスク着用はもちろん、会話をなるべく控えるようお願いする
- 万が一機内で移動中に息苦しさやけん怠感、発熱等の症状がみられた場合、隔離スペースを設けておくなど、あらかじめ手順を決めておく
- 機内食や飲み物の提供は必要最小限・サービスの簡素化を図り、提供する場合はマスク・手袋着用
- 機内トイレは利用前後で手洗い徹底を呼び掛け、マスク着用のまま利用する、蓋を閉めての便器洗浄をお願いする
- 長距離路線では、フライト中に複数回トイレの掃除、消毒を行う
- 座席のテーブルやひじ掛け、モニター画面、コントローラーなど旅客が頻繁に触れる場所は消毒を徹底
もちろん、各航空会社、航空事業に携わる全従業員に対し、健康管理(体温測定や体調の把握など)を徹底します。
機内はもちろん、到着時に感染が疑われる旅客が判明した場合、保健所の指示に従い、周辺に座られたお客様の情報提供など、プライバシーに配慮しつつ、適切に対応することが求められています。
飛行機の換気能力は?
飛行機内の空気を清浄に保つため、高機能フィルターを全機に採用しています。代表的な国内航空会社であるANAのホームページを参考に紹介していきましょう。
- 上空のきれいな空気を機内へ取り込み、約3分程度ですべての空気が入れ替わる仕組み
- 高性能空気フィルター(0.3ミクロンのサイズの粒子に関して99.97%以上の粒子を捕集)で清浄化してから機内を循環
- 空気は常に天上から床下へ流れ、機内に停留しない仕組み
高性能空気フィルターは、病院の手術室の空調設備にも使用されているものだそう。新型コロナウイルスの直径は約0.1ミクロンですが、飛沫の大きさは約0.5ミクロンといわれています。
このことからも、飛行機での移動に関しては新型コロナウイルスへの感染リスクは低いとわかりますね。
飛行機で旅行する場合、お客様にご協力いただきたいこと
飛行機を利用してちょっと遠くまでの旅行を考えている。せっかくの「Go To Travel」キャンペーンでお得になるなら、普段はいけないようなところへ行ってみたいですよね。
そんな時はぜひ、以下のような行動を心がけてください。
- 出発前に必ず検温し、発熱(37.5度以上)や体調不良の場合は旅行を取りやめる
たとえ軽度であっても咳、咽頭炎などの症状がある場合は搭乗をやめる - 空港や機内ではマスク着用、消毒液等を準備し、手指消毒を徹底する
- 空港への見送り等は控える
- レストラン、売店、チェックインカウンターなどで列に並ぶ際は、お客様同士の間隔を開ける
- オンラインチェックインや自動チェックイン、自動手荷物預け機を利用する
機内持ち込み荷物はできるだけ1つにする - 保安検査の列に並ぶ場合は、お客様同士の間隔を開け、会話は控える
- 機内に入ったら自分自身で荷物を収納する
- お客様同士の会話や移動はできるだけ控える
また、普段行われている優先搭乗サービスは現在一時中止されている場合があります。
機内通路での3密を避ける目的で、後方座席のお客様から順次案内案内をするなど、各社工夫しています。協力を求められた場合は、気持ちよく応じてくださいね。
新型コロナウイルス感染が疑われる旅行参加者が出た場合は?
旅行中に発熱や呼吸困難、けん怠感などの症状を自覚した場合は、すみやかに旅行会社(添乗員付きのツアーなら添乗員)に連絡。対応は以下の通りです。
- 体調不良を訴えるお客様が出た場合は速やかにツアーから離団していただく
- ツアーを離団したお客様が自宅等に戻るために必要な旅行サービスを手配する準備
- 感染者のプライバシー保護を講じつつ、旅行先の保健所へ連絡し、医療機関受診などの対応を相談する
- 宿泊を伴う旅行の場合は、宿泊先や立ち寄り先等に連絡
- 他の乗客と接触しないよう、待機場所等を現地の保健所などと相談する
万が一、体調を崩した場合は、旅行参加を取りやめるのが重要ですよ!
自分たちで航空券を手配すると損しちゃう!?
「Go To Travel」キャンペーンを利用し旅行する場合、最もお得なのは旅行会社にまとめてお願いすること。
自分たちで予約サイトなどを利用し、格安の航空チケットを購入した分は補助を受けることができないのでご注意を。
個人で手配した旅館・ホテルの費用は半額補助が受けられますが、交通手段は対象外です。
ただし、旅行会社でよく販売されている飛行機+宿泊施設をセットにしたフリープラン(ツアー)なら全額補助の対象に!これはもう利用したに手はないですね。
この「Go To Travel」キャンペーンは、飛行機を利用した社員旅行や複数家族旅行などの団体・グループ旅行にも利用できます。
ぜひ、旅行会社にお願いしていつもよりもお得に安全にアフターコロナの旅を楽しみましょう。
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