団体旅行やグループ旅行とはどんなものなのか、個人旅行との違いなどを解説するシリーズ。3回目は「団体・グループ旅行」の種類について解説していきます。
団体旅行で達成したい目的はグループ(組織)によって様々。どのような宿や行き先、プランを選ぶべきなのか、そのヒントも探っていきましょう。
≫「団体旅行」「グループ旅行」とはどういう意味?
≫「団体旅行」「グループ旅行」は何人から?
「団体旅行」「グループ旅行」にはどのような種類がある?
「団体(=グループ)」ということばそのものの意味は「2名以上が共通の目的のために集まった集団、仲間、集まり」という意味合いです。それではどのような目的で組織された集団が一緒に旅行をし、その達成したい目的はどんなものがあるのかを簡単に一覧にしてみました。
団体・グループ旅行の種類 | 旅行で達成したい目的など |
社員旅行・職場旅行 | 社員のコミュニケーション活性化、福利厚生など |
社員研修・職場研修旅行 | 社員のマネジメント力UPや組織力の強化など |
視察旅行 | 新規事業開発や業績アップを目的とする市場調査など |
インセンティブツアー(報奨旅行) | 優秀な成績を収めた人への報奨 |
招待旅行 | 海外クライアントやロイヤル顧客への接待など |
合宿旅行 | ゼミやサークル、部活動の練習・勉強会など |
親子三世代・複数家族旅行 | 長寿のお祝いや結婚式、記念日のお祝いなど |
卒業旅行 | 学生時代の思い出や節目のお祝いなど |
教育旅行・修学旅行 | 学年ごと、シーズンごとに行われる校外学習活動 |
慰安旅行 | 仕事やイベントなどの慰安や親睦を深めるための旅行 |
町内会・自治会旅行・子ども会旅行 | 地域の住民同士のコミュニケーション活性化、親睦など |
会社や仕事などでつながる組織、学校でつながるグループ、家族や親族で構成されるグループ、町内会という地域・地縁でつながるグループ、大きく分ければ4つの団体・グループに分けられそうですね。
それぞれの組織・グループごとに解説していきましょう。
社員・職員のコミュニケーション活性化に役立てる社員旅行・職場旅行
社員旅行とは会社が主催して行う旅行のこと。従業員同士の親睦を深め、コミュニケーション活性化につなげるなどを目的として実施されています。
一般企業の場合は「社員旅行」、自治体や店舗、サロンなどでは「職場旅行」、NPO法人などでは「団体職員旅行」という感じで、組織により名称が変わりますが、目的はほぼ一緒といって差し支えないでしょう。
社員旅行の経費は「福利厚生費」として認められるため、主催する法人側では節税になります。
昔は単なる「慰安」目的で実施されることが多かった社員旅行ですが、若い世代から敬遠される傾向に。最近では、研修や社会貢献活動、健康管理などさまざまなテーマを持たせた社員旅行が実施されています。
また、コロナ禍でリモートワークが続き、社内での気軽なコミュニケーションが激減。社員旅行の存在意義が見直されつつあります。
また、会社への貢献度が高い社員や勤続年数の長い社員などを表彰する表彰式、会社の周年記念パーティを兼ねた社員旅行なども盛んです。
旅行会社では、企業ごとの希望や条件に合わせて、あらゆる世代の社員が楽しく参加できるようなプランやアクティビティを盛り込んだ社員旅行を提案してくれますので、ぜひ気軽に相談してみましょう。
社員旅行・職場旅行の企画ポイント
- 会社のミッションや目的達成などに叶うテーマで実施する
- 福利厚生費として計上する場合は、1人当たり1泊2~3万円程度、4泊5日以内に抑える
- コミュニケーション活性化につながるアクティビティやプログラムを盛り込む
- お子さんがいる社員が参加しやすいよう日帰り、宿泊、子連れOKなど柔軟なプランを
- 宴会芸や二次会への参加強制など、パワハラになりやすいので要注意
社員旅行・職場旅行プランニングのポイントはこちらも参考に≫
団体・グループ旅行専門の旅行会社一覧はこちら≫
社員のマネジメント力UPや組織力の強化達成に役立てる社員研修・職場研修旅行
社員研修・職場研修は会社が業務の一環として実施するもの。日帰りの場合もありますし、宿泊を伴う場合もあります。
各地に工場や支店、営業所がある場合は、視察を兼ねて実施することもあるでしょう。また、誰に対する研修(新人研修・中堅社員研修・管理者向け研修など)により、その内容や実施方法も異なります。
最近では研修を兼ねた社員旅行を計画する職場が増えてきました。旅行を伴う研修の場合は、旅費に関する経費の計上方法が異なるので、以下の記事を参考にされるといいでしょう。
いずれにせよ、社員研修・職場研修を行うことで、社員のステップアップや組織力の強化につなげることができます。また、宿泊を伴う実施の場合、親睦会を取り入れるなどすれば、社員同士のコミュニケーション活性化に役立つはず。
旅行を伴う社員研修・職場研修のことなら、旅行会社にお任せすれば、魅力的なプランを提案してもらえるのでぜひ活用してみてくださいね。
社員研修・職場研修旅行の企画ポイント
- ビジネススキルを身に付ける、マネジメント能力を向上させるなど、研修対象に合わせた内容が重要
- 研修費用は出張と同じで福利厚生費として計上できない(研修費、旅費交通費など計上項目に注意)
- 組織への帰属意識や仕事へのモチベーションアップ、社員同士の連携などがスムーズになるようアクティビティやプログラムを盛り込む
- 座学だけではなく、チームビルディングなどを活用するうとより結果が出やすい
- 親睦会など、コミュニケーションを深めるプログラムもおすすめ
新規事業開発や業績アップ、ビジネスチャンスにつなげる視察旅行
視察旅行とは地方・国会議員・自治体などが知見を広めるために実施したり、企業が最新の技術研究、業界分析、商材発掘などを目的に行うものです。国内外の見本市や展示会、カンファレンスなどに参加したり、先進の技術を持つ工場や関連施設などを訪問する場合が多いでしょう。
視察旅行には視察者が実際に技術を肌で感じることで、メディアを通してでは得られない生の情報を得ることができるといったメリットがあります。視察旅行を実施する場合、難しくなるのは経費の計上方法。
以下の記事を参考に無駄なく、経費として計上できる項目をチェックしておきましょう。
視察先は一般的な観光ルートには乗らないところを訪れる場合が多く、個人では旅行手配が難しい場合がほとんど。ここは旅行会社の手を借りながら、視察旅行を成功させましょう。
視察旅行の企画ポイント
- どんなビジネスの何に必要な技術やサービスを探す、というように踏み込んだ視察目的を設定することが重要
- 視察旅行の費用は旅費交通費や接待交際費、研究費など幅広い項目で経費として認められる(観光部分の経費は含めないよう注意が必要)
- 海外視察の場合、移動に時間がかかる場合があるので余裕をもったスケジュールを
- 海外視察ではビジネス慣習や文化の違いにも留意
優秀な成績を収めた人への報奨旅行(インセンティブツアー)
報奨旅行(インセンティブツアー)とは、販売成績が優秀な営業マンや販売員、販売店などを対象に、企業が報酬として企画する旅行のことをいいます。企業の組織力強化や販売促進、社員・職員のモチベーションアップにもつながるため、欧米では特に盛んに行われています。
こちらは、通常の団体旅行よりも豪華で高いホスピタリティが求められるケースが多く、特別感を演出するためのプランやプログラムが必要です。
ぜひ、報奨旅行のプロである旅行会社に相談して、参加者を満足させるプランを提案してもらいましょう。
▼インセンティブツアー関連記事
・2泊3日インセンティブ旅行・周年旅行プラン【ブセナテラス宿泊】沖縄周遊ツアー
・会社の周年記念パーティや表彰式、インセンティブツアーに!「ホテル コレクティブ」を沖縄旅行に推す5つの理由
インセンティブツアー(報奨旅行)の企画ポイント
- 優秀な営業成績を収めた人などをねぎらい、モチベーションアップに繋がる豪華で特別感のあるプランがおすすめ
- インセンティブツアー(報奨旅行)の経費は労働に対する対価として「給与」もしくは「賞与」扱いで、課税対象になります
- 販売代理店など外部の人を招待するインセンティブツアーであれば、「接待交際費」としての扱いになります
顧客(クライアント)の接待を兼ねて行う招待旅行
招待旅行とは会社との関係機関や、国内外の取引先(クライアント)を招いて企業の業績や生産体制、店舗運営をアピールする場としても活用されています。
取引先とのリレーション強化にもつながる旅行として、参加者の期待感や満足感を高める演出、プランニングが求められます。特に海外からの招待となる場合、日本の魅力的な観光地や食事、アクティビティなども合わせて盛り込むなど、工夫が必要。
こちらも旅行会社と相談しながら、ベストなプランを提案してもらうのがおすすめです。
招待旅行の企画ポイント
- 顧客や取引先を招いて、自社の優れた業績やPRポイントをプレゼンテーションできるプランを考える
- 招待旅行の費用は原則、交際接待費として処理できる場合があります(海外から招くなどの場合、参加者が誰であるかなどに注意は必要)
- 海外から招待する場合は、ビジネスパートナーである日本の魅力なども伝わるような観光やアクティビティ、グルメなども盛り込むと喜ばれる
学生から社会人までスポーツ・文化・勉強を目的に実施する合宿旅行
合宿旅行とは、学生や社会人、地域の人たちなどが組織するサークルや部活、クラブ、ゼミなどで、技術や知識向上を目的に練習やトレーニング、試合、発表会などを泊りがけで行うものです。
観光や遊行を目的とした一般的な旅行とは異なり、練習や勉強に必要な施設と合わせて手配してもらうことが多いので、合宿手配に強い旅行会社にお願いするのがベストな選択です。
最近ではスポーツや文化活動、研究、勉強などだけではなく、チームとしての決断力やコミュニケーション力を高める目的で食事会やアクティビティなどを取り入れたプランも人気があります。
合宿先のアピールや地域の人々との交流や講習会を行うことで補助金などを用意している自治体もあるので、こういった制度も上手く活用して旅行を企画してみましょう。
合宿旅行の企画ポイント
- 宿泊先と練習、勉強に必要な施設、万が一に備えて医療機関が近くにあるか、昼食の用意、送迎の有無など、合宿ならではのきめ細かいプランニングが必要
- 練習や勉強ばかりではなく、ちょっとした息抜きや親睦会などのプランもプラスするとモチベーションアップにつながる
- 保護者や参加者の負担にならないよう、補助金なども上手く活用する
長寿のお祝いや結婚式などを兼ねた親子三世代・複数家族旅行
ひと家族だけで行うのではなく、両親を連れての三世代旅行、兄弟の家族、親戚を含めて行う親族旅行など、大勢で旅をするのは楽しいものです。両親の長寿のお祝いや結婚記念日に、集まって食事や観光を楽しんだり、温泉に滞在したりと、企画するご家庭も多いのではないでしょうか。
また、結婚式のついでに家族旅行もという要望も多いようです。学校やご近所同士で仲良しになったご家族と一緒に家族ぐるみで旅行に行くということもありますね。
小さなお子さん連れやご年配の方と一緒に旅行するというのは何かと気遣いが必要です。そんな時は旅行会社にファミリー向けのホテルやバリアフリーな宿、お子さま連れでも楽しめるアクティビティなどを盛り込んだプランを提案してもらいましょう。
親子三世代・複数家族旅行の企画ポイント
- 家族の年齢に合わせたプラン、宿泊先、移動手段などを考えることが重要
- 長寿や結婚記念日などのお祝いを兼ねてなら、サプライズ演出もおすすめ
- 子どもが退屈しないよう、プログラムやアクティビティを工夫する
人生の節目となる卒園・卒業旅行
保育園・幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と楽しい学生生活を通じて仲良くなった仲間と一緒に旅行を楽しむ卒園・卒業旅行も人気です。保育園・幼稚園・小学校では、保護者同士の交流も密になるため、お互いに協力し合いながら支えた学校行事など思い出深いこともたくさんありますね。
また、高校・専門学校・大学を卒業し、社会人になる人もいて、最後の学生時代の思い出に長期旅行を計画するという場合も多いことでしょう。
ある程度まとまった人数で出かける場合は、やっぱりプロの手を借りるのが一番。貸切バスの手配や観光・アクティビティの予約など、全部まとめてお願いするとラクちんですよ。
卒業後の「同窓会旅行」ももちろんお任せくださいね。
卒園旅行・卒業旅行の企画ポイント
- 幼稚園や保育園、小学生の卒園・卒業旅行などは赤ちゃん連れで参加する保護者も多いので、時間や行き先を吟味する
- 中学生、高校生は保護者の同意が必要な場合があるので、旅行会社に要相談
- 大学や専門学校の同級生でまとまった人数で参加する場合、幹事さんの負担を軽減する意味でも旅行会社を頼ろう
卒業旅行のおすすめプランはこちら≫
年長さん日帰り卒園遠足おすすめスポット【関東発】【関西発】
小学6年生日帰り卒業遠足おすすめスポット【関東発】【関西発】
教育旅行・修学旅行
学校で必ず行われている校外学習。学年ごと、達成したい目的ごとに先生方や学校が中心になって行き先を決めて実施する場合が多いことでしょう。
各自治体で教育旅行や修学旅行に助成金を設けているところも多いので、費用負担を軽減したい場合は、上手に活用するのも手ですね。
特に修学旅行は最終学年で行われることが多く、平和学習や環境学習、歴史・文化を学ぶだけではなく、ものづくり体験やキャリア体験など、バラエティに富んだ内容が人気となっています。
大勢の学生たちを引率しながら行く教育旅行・修学旅行は安全面の確保というのが重要。手配になれている旅行会社からのサポートをしっかり受けて出かけることが多いことでしょう。
教育旅行・修学旅行の企画ポイント
- 教育旅行や修学旅行に対し助成金を設けている自治体もあるのせ要チェック
- 修学旅行の手配は経験が必要なので、得意な旅行会社に依頼するのがおすすめ
- 最近ではキャリア形成に役立つような体験やプログラムも増えている
慰安旅行
慰安旅行の「慰安」は“労をねぎらう”という意味があります。つまり、日ごろ貢献してくれている社員(職員・従業員)やスタッフ、仲間に対し、その頑張りや成果をねぎらうために旅行に行く、というのが慰安旅行の趣旨。
会社で実施する場合は「社員旅行」と同じ意味合いになりますし、仲間同士や町内会、スポーツチーム、サークルなどでも実施目的が“慰安”であれば、慰安旅行であるといえます。
慰安旅行の企画ポイント
- 会社や職場主催で実施する場合は福利厚生費として計上可能
- 会社の慰安旅行なら、個人ではちょっと行きにくいプレミアムな旅館、グルメなどを盛り込むと喜ばれる
- 会社以外で実施する場合、各自の負担が大きくならないように配慮
慰安旅行プランについてもっと詳しく≫
慰安旅行人気の温泉ランキング≫
慰安旅行でよくある質問≫
町内会・自治会旅行・子ども会旅行
最近では地域との密接なつながりが薄れてきており、町内会・自治会・子ども会・老人会に参加しないという方も少なくないとか。しかしながら、日頃から地域の方々と繋がりをもっておくと、災害などいざという場合にお互い助け合える「共助」の関係を築くことが可能。
防犯という視点からも、ご近所同士のお付き合いは大切な鍵となりますね。町内会・自治会・子ども会・老人会で主催する旅行などにも気軽に参加して顔繋ぎをしておきたいものです。
町内会・自治会・子ども会・老人会で旅行に出かける場合は、地元から出発ができるので便利。旅行会社に気軽にお願いしてみましょう。
町内会・自治会・子ども会・老人会旅行の企画ポイント
- 貸切バスなど、地元出発が可能な交通手段を利用すると負担が少ない
- 季節感を感じるプラン、個人では行きにくい旅行先をうまく取り入れると喜ばれる
子ども会バス旅行プランについてもっと詳しく≫
シニア旅行プランについてもっと詳しく≫
組織する人・活動目的により、さまざまな「団体旅行」「グループ旅行」の種類が存在する
ひとことで「団体・グループ旅行」といっても、旅行の種類はたくさんあります。会社・職場で出かける社員旅行、学校で実施する教育旅行、スポーツ・文化活動などで実施する合宿旅行、地域の人たちで組織される町内会・自治会旅行などなど。
それぞれの顔触れや活動目的、達成したい目標などにより、同じ「団体・グループ旅行」でも意味合いが異なってきます。個人旅行とは大きく異なるのはこの点なのではないでしょうか。
いずれにせよ、大人数が動く旅行の場合は、個人での手配に限界があります。そんな時はプロの手助けを上手に活用して成功させましょう。
【団体・グループ旅行用語解説】
■「団体旅行」「グループ旅行」とは
■「団体旅行」「グループ旅行」は何人から
■「団体旅行」「グループ旅行」の種類とは
■「団体旅行」「グループ旅行」をお願いできる旅行会社とは
■「団体旅行」「グループ旅行」に見積りが必要な理由
■「団体旅行」「グループ旅行」で予約はいつまで
■「団体旅行(ツアー)」の良いところは
■「団体旅行」はいつ(何月)出かける?
▼団体・グループ旅行関連記事
●【国内グループ旅行・団体旅行プラン】行き先選びのポイント
●【海外グループ旅行・団体旅行プラン】行き先選びのポイント
●グループ旅行で人気の行き先・予算・行って良かったプランは?
●団体宿泊OKの旅館・ホテル特集
●100名以上の大人数旅行プラン
団体旅行ナビトップに戻る≫